クラウドがよく分かる!お役立ちコラム
Azureが提供するPaaSの主要サービスやメリットを解説

公開日:2025年5月31日 最終更新日: 2025年6月3日

Azureが提供するPaaSの主要サービスやメリットを解説
この記事でわかること

近年は消費者のニーズの変化が大きく、提供するサービスの展開や改良もスピードが求められています。そのような背景もあり、サービスの基盤となるインフラを簡単に用意できるクラウドサービスの存在は大きく、ビジネスでも多く活用されています。なかでもPaaSは導入が簡略化されているため、利用するハードルが低いというメリットを持ちます。

今回はAzureが提供するPaaSの種類や利用するメリットを解説していきます。Azureサービスの活用をご検討の方はぜひ参考にしてみてください。

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PaaSとは

PaaS(Platform as a Service)とはクラウドサービスの提供形態の1つで、Webサーバーやデータベースなどのミドルウェアが簡単に利用できる環境を提供します。開発者側で必要な機器を用意したり、難しい設定を行ったりする必要がないため、すぐに機能を利用し始めることができます。

また、運用している中での機器の物理的な故障や障害についてはクラウドサービス側で素早く対処されるため、メンテナンスが不要になります。さらに、OSやソフトウェアのセキュリティパッチやアップデートなどもクラウドサービス側で行われるため、開発者や運用者の負担軽減にもつながります。

なお、料金体系はクラウドサービスによって異なりますが、Azureの場合は利用した時間や性能の分だけ料金が発生する従量課金制です。PaaSでは、機器の調達や環境を整えるには大きくなりがちな初期費用が省けるため、毎月の運用に掛かる費用だけに抑えられます。

このようにPaaSは、迅速かつ低コストでシステム開発を進めることができます。

Azureが提供する主要なPaaS

Azureでは、様々なケースに活用できるPaaSが提供されています。ここではAzureで提供されている主なPaaSを紹介していきます。

アプリケーション実行環境

PythonやASP.NETなどのアプリケーション実行環境は仮想マシンサービスを用いれば自分で構築することもできますが、PaaSではサーバー設定やソフトウェアのインストールをすることなく使い始められます。

例えばAzure App Serviceでは、稼働させるサーバー環境に加えて、IPアドレスやドメイン、アプリケーションフレームワークなど、アプリケーションを動かすのに必要なリソースが一括で作成できます。開発者はGitやFTPでコードをアップロードするだけでアプリケーションの公開が可能です。

データベース

データベースのPaaSもまた仮想マシンサービスを用いたときのようなインストールや初期設定は必要ありません。開発者はデータベースを動かすサーバーの性能や簡単な設定項目を選ぶだけで、すぐにデータベース利用環境が整います。

また、提供されるデータベース環境は運用において重要な冗長性と拡張性も備えています。インフラやデータベース管理システムはAzure側で管理されているため、データベース容量の拡張や複数拠点への分散配置などが簡単に実現可能です。

ストレージ

ストレージのPaaSでは、柔軟なアクセス制御と可変する容量を持つデータ保管庫が提供されます。オンプレミスやクラウドサーバーからマウントできるネットワークストレージや、Web API経由でアクセス可能なクラウドストレージとして様々な用途で活用できます。ストレージ側のネットワーク設定は不要で、アクセスする側の設定を行うだけで済みます。アクセス制御はMicrosoft独自のアクセス管理の仕組みを利用できるため、最低限の設定でセキュアに使い始められます。

コンテナ実行環境

コンテナを扱うには環境構築と運用の知識が必要とされますが、PaaSではコンテナイメージさえあればすぐに実行可能です。また、単体のコンテナから複雑な構成が可能なKubernetesなど規模に応じたサービスが提供されており、用途や予算に応じて使い分けができます。

AzureのPaaS・IaaS・SaaSの違い

Azureサービスの提供形態には、PaaSの他にもIaaS(Infrastructure as a Service)、SaaS(Service as a Service)と呼ばれる種類があります。いずれも目的のリソースがクラウド上に準備される点は同じですが、提供される機能の範囲で分類されています。

IaaSはシステムの基盤となるインフラを提供します。サーバーやルーター、ロードバランサーなどの機器がクラウド上に仮想的に作られ、開発者はそれらのリソースを柔軟にカスタマイズして利用できます。各リソースをどのように連携させるかは開発者側に委ねられるため、複雑な構成を採るシステムに適しています。

SaaSは特定のアプリケーションがすでに準備された利用環境を提供します。IaaSやPaaSで自ら構築することなく、すぐにアプリケーションを使い始められます。例えば、Microsoft 365はSaaSの1つで、インターネットさえ繋がっていればOfficeアプリケーションやメールサービスが利用できるサービスです。

PaaSは上記2つの中間に位置付けられます。PaaSでは、必要なインフラやミドルウェアが準備された状態の利用環境が提供されるため、開発者はそれら構築するのに掛かる作業を省略できます。IaaSと比べて難しい初期設定作業は必要なく、独自の仕組みを素早く作り上げるのに役立ちます。

AzureのPaaSを使うメリット

サービスを素早く展開できる

PaaSを活用することで、独自のサービスをインターネット上に素早く公開できます。例えば、新しい仮想マシンに1からWebアプリケーションを配備する場合と比べて、サーバー設定やネットワーク設定、ミドルウェアのインストールなど多くの作業が不要になり、サービスの開発にだけ集中できます。特に試作段階のサービスの検証や顧客向けのデモなど、開発スピードを重視するプロジェクトに適しています。

管理や設定の手間が少ない

PaaSで提供されるOSやソフトウェアはAzure側で適切に管理されているため、直接操作する必要がありません。そのため、修正パッチやセキュリティアップデートを意識せずに運用を続けられます。

また、Azureサービスは管理サイトであるAzureポータルから操作することができる上に、各リソースの状態や設定が可視化されて把握しやすくなっています。他のAzureサービスと連携が取りやすいこともメリットに挙げられます。

深い知識がなくても扱いやすい

AzureのPaaSでは、Azureポータルからウィザード形式でリソースを作成したり、設定を変更したりできます。そのため、サーバーやネットワークの仕組みやミドルウェアの設定などの知識が少なくてもサービスを利用可能です。難しいコマンドが不要なため扱うハードルが低く、Azureポータルの操作を覚えてしまえば、経験の浅いエンジニアや深い知識のない非エンジニアでも運用できます。

リーズナブルでわかりやすい料金体系

AzureのPaaSの多くは、リソースの性能や利用時間に応じて変動する従量課金制の料金体系が採られています。従量制とはいえ料金は計算しやすく、月ごとの料金の見通しも立てやすいため見積りもしやすいです。機器購入などの初期費用が不要な上、物理的な故障対応も必要ないため、年間のコストも把握しやすくなっています。

まとめ

PaaSはシステム構築に必要な基盤を簡単かつ迅速に利用できるクラウドサービスの提供形態で、開発生産性の向上に役立ちます。導入コストは不要で、運用コストも比較的安価に抑えられるため、導入しやすいメリットがあります。簡易な仕組みであることから、複雑な構成を採らない小中規模の開発に適しているといえます。

新規開発やクラウドへの移行をお考えの方は、PaaSの利用を検討してみてください。

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