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AIアプリ開発を支えるAzureサービス「Microsoft Foundry」と「Microsoft Agent Framework」を解説

公開日:2026年5月1日 最終更新日: 2026年5月1日

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AIアプリ開発を支えるAzureサービス「Microsoft Foundry」と「Microsoft Agent Framework」を解説
この記事でわかること

生成AIモデルの高い汎用性は日常のタスクからビジネスシーンまで様々な分野で活用され、企業の中でも生産性向上の手段としてAIアプリケーションの利用が加速しています。

AzureではAI開発を統合的に支援する開発基盤を提供しており、これらはエンタープライズ向けAIアプリケーションの迅速な実現に大いに貢献します。その中でも主要な構成要素として、AIアプリケーションの土台を担う「Microsoft Foundry」と、開発フレームワークの「Microsoft Agent Framework」が挙げられます。今回はこれらの特徴やAI開発における役割を解説していきます。

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Microsoft Foundry

Microsoft Foundryとは

Microsoft Foundryは、エンタープライズ向けAIアプリケーションの構築を支援する統合プラットフォームです。ビジネス要件において重要視されるセキュリティや可用性を保持できる構成と、様々なタイプのAIアプリケーションに対応する汎用性の高さが特徴です。シンプルなチャットボットから複雑なタスクをこなすAIエージェントまで、統一的な方法で構築できます。

Microsoft Foundryでは、AIアプリケーションが次のコンポーネントで構成されます。

  • エージェント
    • 要求の入力や応答の提示を司るエンドポイントや、それら一連の対話の保持などの機能を含む中心的な役割を果たすコンポーネントです。
  • モデル
    • エージェントが要求に応えるために使用されるAIモデルを定義します。Azureの管理下に置かれた1,900以上の豊富なモデルの中から選ぶことができ、GPTやClaude Opusなど最新の汎用的なモデルから特定のタスクに適したモデルなど幅広いニーズに対応します。
  • ツール
    • エージェントが実行できる手段を増やすための仕組みです。組み込みのツールとして、Web検索やファイル検索、グラフ生成などが用意されていますが、MCPサーバやOpenAPI準拠の外部サービスとの連携も可能です。

Microsoft Foundryの特徴

幅広い企業規模に対応

Microsoft Foundryは、AIアプリケーションの管理運用を担う統合プラットフォームで、小規模な試作から厳格なセキュリティ要件まで幅広く対応できます。Microsoft Entra IDによる細やかなアクセス管理が可能で、自律的に動作するAIエージェントに対しても社内の機密データの利用を必要最小限に留めることができます。

また、AIアプリケーションの運用にまつわる統合的な管理に長けており、AIアプリケーションが増えるほど優勢は高くなります。安定運用のために必要な品質評価や異常検知、社内方針に沿ったコンテンツフィルターなど統一した体制を整えやすいです。

迅速にAIアプリが構築できる

Microsoft Foundryでは、AIアプリケーションを簡単に実装できます。AIモデルをホストするためのインフラをポータルサイトから短いステップでプロビジョニングでき、コーディングなしでも公開が可能です。

なお、実装できるエージェントは次の3種類あり、用途に応じて使い分けます。

  • プロンプトエージェント
    • Azureポータルだけで作成できるプロトタイプ向けのエージェント
  • ワークフローエージェント
    • YAMLで定義したワークフローに従って要求を処理するエージェント
  • ホスト型エージェント
    • ロジックをコードで記述し、それらがコンテナで展開されるエージェント

ホスト型エージェントは、後述するMicrosoft Agent Frameworkのもとで作成されたエージェントをホストするときに使用され、複雑なロジックを含むケースで有用です。

Microsoft Foundryの利用料金

Microsoft Foundryでは、コンポーネントごとに料金体系が異なります。例えば、ホストされたエージェントや使用するAIモデル、ツールは利用量に応じて次のような料金が発生します。

エージェント

項目料金
エージェントvCPU:17.5103円/時間
メモリ:2.0787円/GiB時間

モデル

モデル名料金(1Mトークンごと)
GPT-5.4 272kコンテキスト以下入力:400.37円
キャッシュ済み入力:40.04円
出力:2,402.18円
GPT-5.4 272kコンテキスト超入力:800.73円
キャッシュ済み入力:80.08円
出力:3,603.27円
GPT-5.4 mini入力:120.11円
キャッシュ済み入力:12.02円
出力:720.66円
GPT-5.4 nano入力:32.03円
キャッシュ済み入力:3.21円
出力:200.19円

ツール

項目料金
ファイル検索19.3776円/GB
コードインタプリター5.8133円/セッション
Web検索2,242.0300円/1,000トランザクション
カスタム検索2,242.0300円/1,000トランザクション

なお、これらの利用料金は2026年4月時点の情報です。詳細や最新の料金についてはAzure公式サイトの価格ページをご参考ください。

Microsoft Agent Framework

Microsoft Agent Frameworkとは

Microsoft Agent Frameworkは、エンタープライズ向けのAIエージェントを効率的に構築するためのフレームワークです。Semantic KernelとAutoGenの2つのAIエージェント用フレームワークの持つ機能を統合させたもので、お互いのメリットを享受した新しいフレームワークです。

例えば、一般的にAIエージェントに必要とされる次のような機能を備えています。

  • 要求の入力や応答出力
  • LLMとのやり取り
  • 対話の履歴やセッションを保持するための状態管理機能
  • OpenTelemetryに準拠したログやメトリックを出力するテレメトリ機能

これらの機能を含むAIエージェントの仕組みが抽象化され、少ないコード量で柔軟な実装が可能です。なお、Microsoft Agent Frameworkはオープンソースで公開されておりGitHubから利用できます。

Microsoft Agent Frameworkの特徴

マルチエージェントに対応

Microsoft Agent Frameworkは、複数のエージェントが協調しながら問題解決を行うマルチエージェント構成にも対応しています。例えば、役割ごとに分かれた各エージェントの出力を待機したり、利用者の判断を介在させたりと、AIの自律的な判断と定型のワークフローを上手く融合できます。このワークフローは、視覚的なグラフベースの処理ステップで表現でき、タスクの全体像を明瞭化できます。複数のエージェントやその状態を統括的に管理するオーケストレーションの機能がこれらを可能にしています。

機能拡張性が高い

Microsoft Agent Frameworkではエージェントの汎用性を保ちながら、様々なタイプのエージェントに適応したり、LLMに簡単に接続する手段を提供します。また、MCPサーバーやスキルなど標準的な仕様に準拠した外部機能を簡単に実装でき、柔軟な機能拡張を可能とします。例えば次のようなツールを簡単に追加できます。

  • Web検索
    • 要求に応えるのに必要な情報をWeb上で検索
  • ファイル検索
    • アップロードされたファイルの内容から関連情報を検索
  • コードインタプリター
    • データ分析、数学的計算、ファイル処理などに役立つツール
  • 関数ツール
    • エージェントから呼び出せるコード

Microsoft Foundryの使い方

Microsoft FoundryにてAIエージェントを作成する方法を紹介していきます。今回はMicrosoft Foundryのポータルサイトからプロンプトエージェントを作成してみます。

プロジェクトの作成

まずはFoundryポータルにアクセスしてログインしましょう。

ログイン先のトップページで「新しいFoundry」のトグルをオンにして新しいプロジェクトを作成します。

プロジェクト名を入力し、サブスクリプションとリージョンを選択して「作成する」をクリックします。

モデルの作成

作成したプロジェクトのトップページに遷移したら、右上のメニューから「検出」をクリックし、左のメニューから「モデル」を選びましょう。ここでは「gpt-4.1-mini」を選択します。

モデルのページに遷移するので、「デプロイ」をクリックしてプルダウンから「既定の設定」を選びましょう。モデルが動作すると種類に応じた利用料金が発生しますので、お試しの際は注意しましょう。

エージェントの作成

次にエージェントを作成します。左上のメニューにある「ビルド」をクリックし、左のメニューから「エージェント」を選びましょう。

「エージェント作成」をクリックすると、ウィンドウが表示されるのでエージェント名を入力して「作成」をクリックします。

作成したエージェントに移動すると下記の画面が表示されます。

「プレイグラウンド」ではエージェントとの対話の事前確認が行えたり、「トレース」や「モニター」では利用状況を確認できたりとエージェントごとの状態が可視化されています。

まとめ

エンタープライズ向けのAIエージェント開発において、Microsoft FoundryはAIエージェントの統合管理プラットフォームの役割を担い、Microsoft Agent Frameworkはエージェント同士のワークフローを定義するフレームワークの用途で使用されます。これらを活用することは、開発生産性の向上だけでなく、セキュリティ保持やインシデント対応、機能改善など運用面の負担軽減でも大いに貢献します。

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